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いろいろあったパリ旅行から3日。
優華は部屋で膨大な量の課題と格闘していた。
あと古典と読書感想文と数学と物理と……英語……
部屋に響くのはシャーペンが何か書く音と教科書、ノートをめくる音のみ。
優華はひたすら筆を走らせた。
そうする事、およそ三時間。
残る課題を英語のみとした優華は、強敵を目の前に、一旦筆を置く。
優華が一息入れていると、優華の携帯が鳴った。
見るとそこには、やっと携帯の使い方を覚え出した浅倉の名前が表示されていた。
優華は携帯を手にとり、電話に出る。
「はい」
『今暇だろ?』
「いや、暇じゃな……」
優華はちらりと英語の課題を見る。
「ううん、やっぱり暇!」
『どこか出かけないか?』
「……へ?」
優華は浅倉の意外な言葉に驚いた声をだす。
『なんだよ?嫌か?』
「え、いや、そんなことないよ!」
『じゃあ30分後に君の家に行くから』
浅倉はそう言って電話を切った。
優華はぼぉっと前方を見つめる。
急にどうしたんだろう?
優華は数分間考え込んだ後、聞いてみるのが一番早いと結論を出し、急いで出かける準備をした。
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