第三話‐出逢い‐

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‐【始の迷い】‐ 剣崎の前を一台のバイクが走り抜けて行こうとしていた 剣崎 『始!!』 バイクに向かって手を大きく振って叫ぶ剣崎 それに気付いたのか速度を落としバイクは停まった ヘルメットの中から顔を出したのは 始 『剣崎…』 相川始‐Hajime Aikawa‐ 謎に包まれた青年…その正体とは… 剣崎 『始!お前何処に行ってたんだ?』 始 『……』 剣崎 『お前が居なくなったって、天音ちゃんから聞いてたんだ。 でも帰って来てたんだな!』 始 『……』 剣崎 『おい始、どうしたんだ? 何黙ってるんだ、もしかしてまだ帰ってないのか?』 剣崎の問いかけに俯き加減の始が口を開く 始 『剣崎… 俺はもうあの家には帰るつもりはない…』 剣崎 『何を言ってるんだよ始 天音ちゃんが心配してんだぞ!』 始 『剣崎!俺はアンデッドだ… いつ戦いにあの二人を巻き込むか分からない…』 剣崎 『始‥‥ お前…それで天音ちゃんから遠ざかったというのか』 始 『そういうことだ…』 剣崎 『だけど… そんなことしても天音ちゃんは始のことをずっと待ってるんじゃないかな』 始 『だが… それが天音ちゃん達には一番安全なことだ』 剣崎 『そうかなぁ? 俺は、始が二人のそばに一緒に居たほうが一番安全だと思うんだけどな!』 始 『何かあった時は… そのときは直ぐに駆け付けるつもりだ』 一瞬、始の顔に笑みが浮かんだように思えた 剣崎 『そっか… で、始はこれからどうするつもりなんだ?』 始 『俺は俺のやり方でアンデッドを封印するまでだ…』 そう言い残すと始は走り去った 剣崎 『おい始!ちょっと待てよ!まだ話があるんだ!始!始…』 (始…俺は、お前の力が借りたいんだよ…)
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