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‐【乾巧の場合】‐
‐菊池クリーニング‐
巧
『ああ?悪かったな!
口の悪いのは生まれつきなんだよ!』
いつもの如く、客相手に悪態をつく巧
巧
『あ~ぁ、なんだかつまんねぇな…
啓太郎!ちょっと出かけるからな!』
巧の言葉を聞き、アイロン掛けをしていた啓太郎は慌てて店先に飛び出す
啓太郎
『えっ!?ちょっと、タッ君!何処に行くのさ!』
巧
『ああ?散歩だよ、散歩』
啓太郎
『もう!タッ君!』
巧は店番を啓太郎に任せると、愛車でクリーニング店を後にした
何処へ行く宛もなく、ただ走り続ける巧
巧
『……。』
その巧の後方からクラクションを鳴らし煽る一台のマシン
巧
『チッ…何だよ!うっせぇな!』
そのマシンは巧の横を追い抜くと、被せるように前方に停まった
驚き、急ブレーキをかける巧!
巧
『なんだ!あぶねぇだろ!
お前は!?草加…』
草加と呼ばれた男はゆっくりとヘルメットを取り、巧の方に向き直った
草加
『ふん、悪かったな…
君があまりにもノロイから邪魔だったんだ』
巧
『草加!お前な!』
草加
『まぁ、そんなに怒ることはないだろ』
巧
『チッ、それで俺に何か用か?』
草加
『いや別に…
君は暇そうでいいなと思ってね…ふん』
巧
『ああ…
どうせ俺はいつだって暇だ』
草加
『ふん、君には冗談も通じないみたいだな』
巧
『お前のは冗談にもならないんだよ』
草加
『まぁいい…オルフェノクだけを倒してくれればな』
草加は巧にそう言い放つと自慢のマシン《サイドバッシャー》で走り去った
巧
『まったく、どいつもこいつも頭来んぜ!』
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