怪奇の波紋

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「舞ちゃんもなかなかやるね。」 「ん?もしかして解けないのか?」 「失礼な!この名探偵を捕まえてそんなこと言うなんて。」 「名」じゃなくて「謎」のほうだけどな…。 「それじゃあ解けたのか?だったら教えてくれよ。」 「でもね~。この暗号は敬介君が自分で解いたほうがいいかな。」 なんだそれ?でも確かに自分で先にやってみないとな。 「しゃあないな。じゃあ帰って少し考えてみるよ。またな。」 俺はクロの家を後にした。   家に着くと晩飯の用意ができていた。もうそんな時間になってたのか。 それを済ませて俺は部屋で暗号を少し眺める。   『音 知る 風』   また随分シンプルな暗号だこと…。 俺はひらがなに直したりアルファベッドに直してみたりした。 「おとしるかぜ…otosirukaze…ezakurisoto…えざくりそと…?なんだこれ?」 ヒントは個性ね…。 そういや俺に個性なんてあるのかな?すんごいつまんない人間な気がしてきた…。 暗号を解くつもりが違う方向に考えが行ってしまう。 結局その日のうちに暗号を解くことはできなかった。
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