218人が本棚に入れています
本棚に追加
/58ページ
「舞ちゃんもなかなかやるね。」
「ん?もしかして解けないのか?」
「失礼な!この名探偵を捕まえてそんなこと言うなんて。」
「名」じゃなくて「謎」のほうだけどな…。
「それじゃあ解けたのか?だったら教えてくれよ。」
「でもね~。この暗号は敬介君が自分で解いたほうがいいかな。」
なんだそれ?でも確かに自分で先にやってみないとな。
「しゃあないな。じゃあ帰って少し考えてみるよ。またな。」
俺はクロの家を後にした。
家に着くと晩飯の用意ができていた。もうそんな時間になってたのか。
それを済ませて俺は部屋で暗号を少し眺める。
『音 知る 風』
また随分シンプルな暗号だこと…。
俺はひらがなに直したりアルファベッドに直してみたりした。
「おとしるかぜ…otosirukaze…ezakurisoto…えざくりそと…?なんだこれ?」
ヒントは個性ね…。
そういや俺に個性なんてあるのかな?すんごいつまんない人間な気がしてきた…。
暗号を解くつもりが違う方向に考えが行ってしまう。
結局その日のうちに暗号を解くことはできなかった。
最初のコメントを投稿しよう!