プロローグ

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俺達は他愛もない会話をしながら学校に向かう。 それこそ遅刻のことはすっかり忘れてるくらいゆっくりと歩いた。   高校は私立のくせに校則がゆるい。遅刻してもちょっと注意されるくらいで終わるのだ。 それに始業式だし、遅刻したところで損はない。   学校に着いたあと、始業式をやっている体育館に向かった。 さすがに遅刻して堂々と前のほうからは入れないから、後ろの入り口から静かに入っていく。 中ではクラスごとに二列になって並んでいた。 俺と舞はクラスが違うので、分かれてそれぞれの列の後ろにつく。   うちのクラスの後ろには担任の松本先生が立っていた。俺はその横を挨拶しながら通っていく。 「すみません、遅くなりました。」 「おう、おはよう。とりあえず後ろに並びなさい。」 「は~い。」 先生とは一年間の付き合いで仲が良い。3年にあがるときはクラス替えがないからまた一年お世話になる訳だ。   そして俺は列に入ると、一番後ろによく知ってる二人を見つけた。 「おっす!」 二人の肩に手をかけてちょっとふざけたあいさつをする。 「お、お得意の社長出勤か?」 「これは、これは敬介社長、おはようございます。」 こうからかってくるのはクラスメイトの岡山 大知と橋本 秀二。俺の大切な親友だ。 いつもふざけて遊んでるけど、真剣な相談もできる貴重なやつら。 「うむ、苦しゅうない。」 「それ殿様だから。」 と冗談を言って笑っていた。校長の話はもちろん聞いてない。
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