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次の朝、家を出ると舞がいた。いつもと同じだけど、やっぱり少し機嫌が悪そうだ。
「ごめんな。事件のことしか頭に無くて、ちゃんと暗号考えられてないんだ。」
「そうだよね。暗号なんてどうでもいいもんね。」
口調は穏やかだけど、確実に怒ってるよな…。
「本当にごめん。事件が解決したら絶対一番最初に暗号解くから。」
手を合わせて必死に謝る。なんか俺情け無いかも…。
「いいよ、いいよ。それより早く行かないと遅刻しちゃうよ。」
さっさと歩き出す舞。
「お、おい。待てって。」
慌てて横まで走っていく。けれど、まともに舞の顔が見れなかった。
結局、険悪なムードのまま学校への道を歩いていった。
教室に着くと大知と秀二はなにやら議論をしていた。
「どうだったんだ?」
俺は話に入るために声をかけた。
「おう敬介。それが結構面白いことがわかったんだよ。ちょっとこれ見てみ。」
大知が秀二の手にあった手帳を俺に渡す。
それを見るとこんなことが書いてあった。
比嘉 祥子と氷川 浩太が付き合っている事を示す様に二人の名前が線で結ばれている。
そして比嘉 祥子から二本線が出ていて、それぞれ長谷川 真一と近藤 麻里につながっている。これは中学からの友達だという事を示していた。
これ以外の線が知らなかった事実だ。
実は比嘉 祥子と長谷川 真一は中学のとき付き合っていた。元彼というわけだ。
更に半田 仁志も高校に入ってから比嘉 祥子に好意を持っている。
近藤 麻里は比嘉 祥子とは親友であるため、氷川 浩太に淡い恋心を持っていたにもかかわらず自ら身を引いたことになる。
おとなしめの清水 文は、今度は半田 仁志に好意を持っている。これはあまり表には出ていないようだ。
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