218人が本棚に入れています
本棚に追加
/58ページ
二つ隣の教室では、少し人だかりができていた。
そこへ先生達が来て必死に帰るように声を張る。なんで帰らなきゃいけないんだ?
俺と舞も急いでその教室を見に行く。
人だかりの後ろのほうには大知や秀二達もいた。
「おい、何があったんだ?」
「あ、敬介に舞。僕達も直接見てないんだけど、中で人が寝かされてるらしい。」
寝かされてる?その言葉を聞いてもいまいちどういうことなのかピンと来なかった。
「ほら今日は学校休みにするから!速く家に戻りなさい!」
先生が一段と大きな声を出す。すると生徒はバラバラに帰り始めた。
人が少し少なくなったところで俺達はドアの窓から中を覗いてみた。ドアには鍵がかかっていて中には入れない。
そこにあったのは…
綺麗にくっつけて並べてある机の上に男の子が一人寝ていた。いや、寝かされていた?
目を凝らして顔を見ると…
「氷川 浩太!?」
俺達は声をそろえて叫んだ。
そこにいたのは氷川 浩太だったのだ。でもなんで?
疑問が頭いっぱいに出てくる。
「お前達もいつまでも見てないで早く帰りなさい。もうすぐ警察もくるんだからな。」
先生に追い返されそうになる。でもここで引くわけには行かない。
「僕達は警察と一緒に調べてるんです。ちゃんと許可は取ってありますので。」
とっさに秀二がでまかせを言った。さすがこういうときの頭の回転は速い。
「そうなのか?じゃあとりあえず教室に戻っていなさい。」
「は~い。」
空返事をして俺達は一旦教室へ入る。
「敬介、探偵さんにも連絡しといて。」
「おう。今するところ。」
俺は携帯を出してクロを呼び出した。
最初のコメントを投稿しよう!