怪奇の本領

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俺達が議論していると、クロが後ろからやってきた。 「クロ!」 「やあお待たせ。現場はここだね?」 クロは教室の中へ入っていく。 「どうも警部さん。」 「おはようございます。」 本田警部に挨拶をしてクロは氷川 浩太の死体に近づいた。 その死体は、手を体の横に置き、気をつけの姿勢で寝ている。 顔の表情は普通に寝ているのと同じような感じ。それは幸せそうでもあった。   氷川 浩太の死体を少し眺めていたクロは、死体の右側に落ちてたある物を見つける。 「指輪…?」 「あ、それ確か比嘉 祥子に貰ってた指輪だよ。」 利奈が声を上げる。よくそんなことまで知ってるよな…。   クロが今度は教室の中を見始める。 他の机、壁、スイッチ類、黒板、窓…。一つ一つ丁寧に見ていく。 そしてドアに戻って来た。 「クロ、どういうことかわかるか?この時期に凍死ってあり得ないだろ。」 「いや、確かに今回の死因は凍死で間違いないかな。そしてもう一つ、この状況からわかったことは…、これは雪女の仕業なんかじゃなくて、れっきとした殺人だということだ。」 「殺人…。」 でも一体どうやって…? 「探偵さん、ちゃんと説明してもらえますか?」 秀二がクロをせかした。
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