怪奇の浄化

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「さあもう白状してくれるかな?君がこの事件の犯人だって言うことを。そしてさっき君が言ったように、この事件はもちろん二人のほうがやりやすい。動機から言えば、君を清水さんが手助けすることはあり得ないこともない。じゃあ教えてくれ、これは二人でやったのか、それとも君の単独犯なのか…。」 そういわれた半田は清水のほうを向く。   …   沈黙の時間が少し流れて、観念した半田が話し始める。 「…僕が、一人でやりました。全部探偵さんの言うとおりです…。」 これを聞いて、いままで黙っていた清水が口を開いた。 「なんでこんな事をしたの!?今まで仲のいい友達だったじゃない。」 「僕も被害者なんだよ?なんで僕だけは好きな人と一緒になれないんだ。そんなの不公平じゃないか!」   それを聞いたクロがたまらず話しかけた。 「半田君、君のその気持ちはわかる。でも世界にはそういう思いが報われない人がたくさんいるんだ。君の横にいる清水さんもその一人だと思うよ。」 二人が目を合わせる。 クロは、最後の一言を口にした。 「でも…、それだけで事件を起こした君は、もう被害者でもなんでもない。ただの殺人者に成り下がってしまったんだよ…。」   この後、半田は素直に警察に自首をしたらしい。     こうして事件は無事解決できたけど、 そこに残されたのは、なんともいえない悲しさだけだった…。
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