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青木
「大体、午前で、出来ることは済ませてるんだよね。
口腔ケアに清拭。
午後は、気になる人をバイタルチェック。
でも、あたしが今日担当してる部屋は、半数は再検が必要かな」
亜矢子
「?…なにか治療中ですか?」
青木
「というよりも、意思疎通が出来ないから。
バイタルチェックでしか把握できない。」
青木は説明しながら、体温計を患者の脇に挟んでいる。
ナースステーションの隣にある病室。
四人の患者。
誰も声を発することはない患者。
寝たきり。
青木は血圧を図り、検温表に記録している。
亜矢子はその光景が別世界に感じたが、しかし、もう亜矢子はこの病棟のスタッフなのだ。
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