死を待つ病棟

出勤

亜矢子は患者の病室へ向かった。

家族は廊下で待ち、患者のベッドはカーテンで仕切られている。

そっとカーテンを開け中に入った。

亜矢子
「失礼します。
藤田といいます。青木さんから頼まれたので…」

夜勤明けのナースが処置の準備をし、始めるところだった。

岩田
「ありがとう。
助かるわ。申し送りもあるから。
あたしは岩田。
何かあったら呼んで。」

そう言い残し、岩田はナースステーションへ向かった。

亜矢子は処置を始める。

看護師として初めて関わるのが、この死後の処置。

奇妙な感覚を亜矢子は感じた。