STAGE1

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 本当に、ほんの一瞬の出来事だったのよ!!  久し振りに自由行動する時間がとれたから、何か買おうと思って街を一人歩いていた時の話よ……。  いかなり、何の前ぶれもなく、目の前が真っ暗になったの!  で、次に視界が戻った時、あたしはさっきとは違う場所に立っていたわ。  それだけでもびっくりなのに、近くにあったショーウィンドウを見てとどめをさされたわね。  ショーウィンドウに映っていたあたしの姿は、あたし、ルビィ・G・アイオライト本人のものじゃなかったんだもの!!  あたしは13才の女の子。  それも冒険者のね。  けっこう苦労して、‘冒険者資格’を取ったのよ!  ちゃんと‘冒険者カード’には、職業欄に『魔法使い』と書かれてるんだから。  でも、ショーウィンドウの中の“あたし”はどう見たって16才の青年。  それに、魔法使いには絶対見れない。  本当のあたしは、ハニーブロンド(金髪)が肩に掛かる程度の長さで、濃いめの青い瞳をしていた。  なのに、今の“あたし”は首筋まである黒髪があちこちに跳ね、青い目をしている。  それで、今日のあたしの服装は『ほうきに乗っている魔女』を思わせる暗色のワンピースを着ていたはず。  でも、ショーウィンドウに映っている服は、東にある大国・トウテン国特有のものだ。  黒髪に青い瞳の、トウテン国出身の青年。  それに、この顔。  あたしは、この人を知っている。  ねぇ、何でサスケがここにいるわけ!?  ひょっとして、まさかあたし…… 「サスケになっちゃったの!?」  ほら、この声サスケのものだし、あたしが動いたらショーウィンドウの中のサスケも全く同じ動きをするもの!  そんな! あぁ、何でこんなことになっちゃったの!? 「い、……いやよ……」  決してサスケが嫌なわけではない。 「ママ、何であの男の人女言葉でしゃべってたの?」 「世の中には色々なタイプの人がいるものなのよ」  親子に女言葉でしゃべってたのをきかれてしまったわ! 何たるミス!  恥ずかしくなって、あたしはその場を高速で逃げ去ったわ。  そして、ある事に気付いた。  他のみんなは大丈夫なの?  脳裏にみんながそれぞれあたしと同じ状態になって混乱している場面が浮かんだ。
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