STAGE1

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 落ちつけ! 落ちつくんだルビィ!  こういうときこそ冷静さが要求されるのよ!  冒険において冷静さを見失うことは死を表すとまでは言わないけれど、でもちょっ……落ちつこう!!?  あたしは必死で精神安定をはかる。  そう。これは夢。It is my dream, OK?  OKじゃねぇー!!!! 全然大丈夫じゃねーよ何コレ!!  自分の頬をつねったあたしは、軽く絶望を覚えた。  走った激痛に、これがまぎれもない現実であると悟ったのだ。  その瞬間の鮮明な世界観には、目を背けたくなるものがあった。  しっかりしろ! 感傷に浸っていては何も始まらない!  あたしは自分自身を叱咤し、仲間を探して疾走した。  その速度、実に音速と自負する。  《盗賊》であるサスケの走力にはつくづく驚かされる。 「少年よ、何をそんなに急ぐ。何にそんなに怯える」  あたしの背に、声がかかった。
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