STAGE1

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 くるっと後ろを振り返るが、そこに声の主はいない。 「あれっ? 空耳……」 「何者にも怯えるな」  あの声が、また耳に響く。キョロキョロと周りを見回したけど、何もいない。  あたしは前を向き直し、仲間の元へ急いだ。 「あれっ? サスケさん。どうかしたんですか?」  回り角の所で、仲間の1人、忍者の凜(りん)とぶつかった。 「凜……」 凜はさすがにびっくりしたように、あたしを見下ろしていた。 「……はい? ……どうしたんですか? サスケさん……?」  うぅ……っ。凜まで、あたしをサスケと思ってるぅ……。 「凜……っ! 助けてェェぇぇっっっ!!」  あたしは感極まって、凜に飛びついた。 「へぇ!? な、なんですか、急に!!」  不断、パーティの男性と触れ合う機会がない凜は、顔を真っ赤にしてあわてた。 「あたし、どうしたらいいの!?」 「え、ど、どういう事です?」  パニクッているおかしなサスケをひとまず落ちつかせようと、凜はなだめる。 「お、落ちついて下さい!! とりあえず、今の状況を教えてもらえませんか?」 「うん……わかった」  ようやく落ち着いたルビィは、今の状況を伝える。  凜は話を聞いて、まだ信じられないという顔をしている! 「はい、とにかく話はわかりました。あ、あの、私は、元に戻る方法を探しにいきますから」  と言って凜は、どうやって元に戻る方法を探そうかと考えながら道を走っていった。  ルビィは、まだ混乱しながら街を歩き回っていた。  歩き回っていると、ある建物のすみにうずくまっとている女の子がいた。  ルビィは人目見ただけでわかった。あれは間違いなく 「あ、あたしだ!」  ルビィは、大声で言った。  この声に気づいて建物のすみにいる女の子が顔をあげた。  その女の子は、まさしくルビィだった。  顔をあげたルビィは 「あー!!」  と大声を出してこっちに向かってきた。  ルビィは恐る恐る目の前にいる自分に聞いた。 「もしかして、サスケ?」  サスケは顔を赤くして、こくんとうなずいた。  自分が女の子になってる事が、はずかしいらしい。  ルビィが口を開いた。 「どうやったら、元に戻るんだろう……」  ルビィとサスケは1分ぐらい黙って考えた。
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