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付き添いさんは私の足に手を置いた
酔って居るはずも無い…
お酌した酒がまだ並々とある
付き添いさんはあたしを見つめてた
そして
『身請けの件…本気ですから』
私は付き添いさんを凝視した
付き添いさんは話を続ける
『やっと女将さんから許可をいただけたんです』
聞くところ女将さんは
『うちの廓を潰すつもりかい』と冗談交じりに断り続けたらしい
そして付き添いさんは提案した
給料三か月分の身請け料を積むから身請けの話を通してくれないかと…
女将さんはほんとは金なんかよりあたしを心配してくれてたのは判ってる…
『俺に付いて来てくれないですか?』
あたしは涙を流していた…
『…はい
お受けします』
あたしは一歩下がり三つ指を付き頭を下げた
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