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「え?飛べないって?そんなはずないよ。人間は産まれる前は鳥だったんだもの、背中がムズムズしないかい?」
しないよ。
「んー、君は、赤ん坊のくせに気難しい質なんだな」
あいつは、近くを飛んでいた光る何か捕まえて僕の頭の上で振ったんだ。
「ティンク、ちょっとばかりこいつに妖精の粉を分けてやってよ。どうだい?これで飛べるだろ?」
あいつは、光るやつを投げ捨てながら僕に言った。
びっくりだ。
身体が軽くて、本当に飛べるんだ。
この時ばかりは、心が踊ったよ。
僕の心に喜びっていうものが生まれた瞬間さ。
この事は、ピーターパンに感謝しなきゃ。
僕の心に喜びを教えてくれたのは、確かに彼だ。
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