ネバーランドへ

5/7
27人が本棚に入れています
本棚に追加
/34ページ
「え?飛べないって?そんなはずないよ。人間は産まれる前は鳥だったんだもの、背中がムズムズしないかい?」 しないよ。 「んー、君は、赤ん坊のくせに気難しい質なんだな」 あいつは、近くを飛んでいた光る何か捕まえて僕の頭の上で振ったんだ。 「ティンク、ちょっとばかりこいつに妖精の粉を分けてやってよ。どうだい?これで飛べるだろ?」 あいつは、光るやつを投げ捨てながら僕に言った。 びっくりだ。 身体が軽くて、本当に飛べるんだ。 この時ばかりは、心が踊ったよ。 僕の心に喜びっていうものが生まれた瞬間さ。 この事は、ピーターパンに感謝しなきゃ。 僕の心に喜びを教えてくれたのは、確かに彼だ。
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!