憧れ

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 私だって「龍也君」とか「龍様」とか「龍也」って呼びたい。でも…呼べない。 「クラスメートでいいんだぁ」  よくない。けど、付き合えるわけでもないし…何度も考えてたことある…。 「龍様格好良かったよ」 「凄い汗じゃん、タオル使って」 「龍也君、飲み物あげる。飲んで」 「ほ~ら、ご覧…。群がってる」 「凄いねぇ」 『ビックリした!薫君かぁ』 「龍様を助けてやりぃよ」 「だねぇ…」  上矢部君を助けに行ったのは小雀 薫(コスズメカオル)君。彼も幼稚園からずっと一緒。 『絵になるね』 「何言ってるの…、『私の、龍也に手を出さないでよ』くらい言わないと」 『私のって…私のじゃないし…』  言ってて淋しくなる。
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