憧れ

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 薫君が羨ましい。隣にいても絵になるし…誰からも認められている。 「怖っ、あの子達」 「いつか喰われちゃいそうね」 「冗談だろ…奈々恵楽しそうだね♪」  奈々恵ちゃん、薫君、そして上矢部君…本当に絵になる。  学校内のアイドルが集まってるもん。  場違いで今すぐにこの場から離れたい…。 「唯、どこ行くの?」 『えっ?当番だから資料取りに行くように言われてるから、行ってくる』 「俺も行こうか?」 『だ、大丈夫、上矢部くん。じゃぁ、行ってくるね』 「いってらっしゃ~い」  折角、折角話し掛けてもらえたのに…。チキンハートの私が本当に嫌い…。 「フラレてやんの♪上矢部君♪」 「抜け駆けすんな!」 「抜け駆けしてないし…奈々恵まで上矢部君って呼ぶな…」 -*- 『失礼します。深谷先生資料取りに来ました』 「来たか、ヒヨコ。コレ持って行け」 『1人じゃ無理です』  深谷先生は社会科(特に日本史が病的に好きな変人)の先生で、名前は深谷 礼司。 「ヒヨコ、今日当てるからな」 『予習してきました!廊下ではヒヨコは止めてください、深谷先生!』 「可愛いねぇ」  このエセ教室がっ…。
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