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「いつも側にいる。ほら、ね?」
私の耳に付けた十字架を指差す小頼。
それを外して良く見ようとする私。
首を左右に振って制する小頼。
―何で?
また一つ、疑問が湧いた。
「大事にしてくれるんでしょ、玲奈?」
―ええ、そうよね。
また一つ、疑問が消えた。
何時だって、ずっと不安にさせることが無かった。沸き上がっても、跡形もなく消してくれた。
それが―今の親友。
ねぇ小頼、もう一度この瞬間に戻れるのなら、言いたいことが山ほどある。
でも、それだけは叶わない―
『生きる』はゲームじゃないんだと
だからこそ価値があるんだと言い聞かせても
もう一人の自分が、必死に叫ぶ。
仮にだ―もし、『生きる』ゲームにできたら?
何処かにリセットボタンを着けられたら?
相当、疲れてるみたいね。もう寝ようかしら。明日は正常、そうよね?
貴方はこの日、交通事故で死んだ。
綺麗だった―貴方の寝顔。
全く、肉体だけの癖に不思議。でも今なら、最初に花束を添えた人の気持ちが分かる気がする。
永遠に眠る肉体には、花に埋もれるのが性にあっている。
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