幻覚?

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毎日 毎日 退屈することもなく 修次 利香と 遊ぶ日々… しかし 私は あの集中治療室の隅にいた男の人が 気になっていた。 そして 私は たびたび 出てくる色んな人を 幻覚だと信じて 早く 消えてくれることだけを願っていた。 もう 私が見えてるものを 誰にも話せなくなっていった。 ある日 いつものように 私は 修次と ゲームをしていた時 二人が盛り上がり ハイタッチをした瞬間 私の体に 電気が走った。 私の様子に修次が 驚き 「どうしたん? どっか痛いんか?」 「………」 私は全身 震え出した。 「どうした?りん! いけるか?」 修次は心配そうに言った。 「わからんねん… 幻覚のはずやし…こんなん おかしい」 私が言うと 修次は 「大丈夫 俺がおるから」 私は 安心するどころか…今までに味わったことのない不安に 襲われていった。 「修次…気持ち悪いこと言うけど… 聞いてな。 今 修次の後ろに 血を流した 女の子がいてるねん… めっちゃ 泣いてて 痛い痛いって苦しんでるねん 多分 この病院で亡くなった女の子。 私らが あまりにも 楽しそうにしてるから 来てしまったみたいや」 修次は 黙って私の話を真剣に聞いていた。 「私 その子の痛みが 今 伝わってきてる」 修次は 突然 ティッシュを取り出し 私に渡した。 「その子 血 流してるんやんな。 俺 見えてないから りん 拭いたってや! ほんで 一緒にゲームするかって 誘ったりや」 修次が どういう気持ちで 言ったか わからない。 でも…私は 彼女を こっちにおいで と 誘ってみた。 すると なぜか 女の子は 消えてしまった。 「修次 消えた…」 「消えたんか…遊びたかったんちゃうんや」 と言って 笑った。 ゲーム 再開! そして 修次が突然 真顔で 「りん りんが見えてるもの 俺には 見えてないけど… 一人で 考えこまんと 言うてな。 俺は りんのそばにおるから」 「ありがとう 修次。」 年下のくせに生意気な… でも私は 修次に頼りきっていた。
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