ひきこもり

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ひきこもり

私は 学校では 利香以外 たいして話できる友達もいなかったし 目立つタイプでもなかったため… 利香を失って 学校へ 行くことができなかった いくら 修次が 迎えに来ようと… ママやパパが 説得に来ても… 外に出れば 見たくないものも 見てしまう。 誰も 私の言葉を信じない。 私は 部屋からも出なくなった。 そんな ある日 担任の先生が 訪ねてきた。 「凛 先生来てくださったよ。ちょっと 話できる?」 ママは 部屋の外から言った。 私は ちょっと考えた。 会いたくないと言えば きっと 毎日来る… じゃあ 二度と来ないように 話してしまおう… 「いいよ 入ってもらって」 先生は 「可愛い部屋やね…」 と キョロキョロしながら 入ってきた。 私は 全神経を 集中させ 先生をみた。 「野上さん…何で 学校来なくなったの?」 先生は 心配そうに言った。 「野上さんは 事故にあって 大変やったけど…勉強も ちゃんとついてきてたし 問題なんかないやないの? 友達と 何かあった? あなたは…水谷利香さんと仲良かったよね… 水谷さんに聞いても何も言わないから…」 私は ずっと黙っていた。 そして 「先生 お父さん 後ろにいてますよ いつも 応援してるって言うてます。」 先生は 目をまん丸にして私を見た。 「先生 彼氏 いてるんですね… その人 ギャンブル好きですね…」 「野上さん…何言うてるの?」 「先生 私 言ったこと 間違ってますか? 私ね 見えるんです。全部… 先生の 先生じゃない部分 醜い部分 全部私には わかるんです。 気持ち悪いでしょ。 これ以上 私に近づいたら 私先生の過去や未来すべて 見えますよ。 先生 赤ちゃん 何で 産まなかったんですか…?忘れたら ダメですよ 赤ちゃん泣いてます」 先生は 黙って下を向いた。
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