昏睡

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昏睡

ピッ ピッ ピッ… 体中につけられた 私が生きるための道具 頭を強く打ち 全身からの大量出血のため 昏睡状態。 私は 夢を見ていた。 会ったことのない人たちと…楽しそうに会話をし 何をするわけでもなく…わらっている。 それは とても落ち着く 和んだ 光景… どれぐらい眠っていただろうか… 目覚めた時 私は パニックを起こしていた 何で 私 体中に機械ついてるん? ここ どこ? 何があったん? そして ゆっくり 記憶を 辿る… あっ… 事故った。 私 生きてる? 朦朧とする意識の中で 私は 必死に考えた。 目をあけ 辺りを見回すと ママがいた。 私は 「ママ…」 ママは びっくりした顔で私を見た。 「凛! 」 ママは 慌ててナースコールを押し 「凛の意識が戻りました」 慌ただしく 先生と看護婦さんがきた。 そして私についてる機械が とり外された。 だんだん意識がはっきりしてきた。 ん…? 病室の端にいてる男の人は誰? 「ママ 私どれぐらいこの状態やったん?」 「1ヶ月半…」 ……… 「そうか。」 「ホンマに寝坊さんやな」 ママは 目に涙をいっぱい溜めて 笑った。 「うん……」 私は あの隅にいる男の人が気になって仕方ない。 ただ いるだけで 近づくわけでもなく… 「ママ あの人 誰?」 私は 男の人を指さして言った。 「ん? 何言うてんの? まだ 寝てるんか? ママと二人やんか 誰もいてないやん」 ……… 「そうやな…」 ママは見えてない… ……… ん? ってことは…… 誰? ん? 何? 多くを考える余裕もなく 私は また 眠ってしまった。
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