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遅れて到着したレイトもその臭いに口元を押さえる。
この先に待つ物は…。
想像出来そうで出来ない臭いの元に心なしか警戒しつつブライトは扉に手をかけた。
「………………」
「…これは……」
言葉を失うブライト。
辛うじて声を発したのはブライトの肩越しに中を覗いたレイトだった。
小屋の中。
そこは床だけでなく天井から壁まで全てが血色に染まり。
それでも足りないとばかりに床に血の海を作っていた。
血の海の中には元が人だったのか動物だったのか…。
その血の量から生きていたモノであろう事しか想像できない肉塊のみが所々浮かんでいた。
そして…。
その中心には小さな子供が。
見た目は1~2歳だろうか。
目がある筈の部分は漆黒の穴が空いており生きているのか死んでいるのか…。
微動だにせず血と肉塊にまみれて座っていた。
思わず目を背けたくなる様な光景。
ブライトが言葉を失うのは無理もないだろう。
「何故…こんな所に…子供が?」
「…つか…生きてんのか?」
「…心音は聞こえます」
「そっか…」
聴覚のいいレイト。
血の海の中の子供の微かな心音を聞き分けていた。
恐る恐る中へ入る二人。
レイトがゆっくりと子供の傍へ近づいた。
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