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「坊や…話せますか?」
「………」
返事がない。
しかし2つの穴が確かにレイトの方を向いた。
レイトはその場にしゃがむとゆっくりと話しかけた。
「名前は?」
「………」
首を横に振る子供。
名前がないのか…わからないのか…。
レイトは少し考えると次の言葉を投げかけた。
「何故こんな所にいるのですか?」
「……っ」
微かに反応した子供。
心なしか穴が大きくなり体がガクガクと振るえだした。
「ッ…ぁ…ぁあ…あああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」
叫びだしたかと思うと子供の体から突如漆黒の闇が飛び出してきた。
暴走したようなソレは二人を襲うでもなく狂ったように小屋を壊し始めた。
「っ!?」
「な、なんだこれ!?」
「…以前聞いた事があります!三つ目族には稀に特殊な力を持つ忌み子と言う子供が生まれると…」
「このガキがソレか!?」
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