運命の夜

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「……ん…」 「お、目ぇ覚めたか坊主」 簡易ベッドの上で目覚めた子供。 戸惑いを見せつつ起き上がるとブライトがベッドに腰掛けた。 「……ぁ…」 「なんだ?」 「…ぁ…」 話せないのか…何を言えばいいのかわからないのか…。 口を空けたり閉じたりを繰り返す子供。 言葉を待っていたブライトはもどかしい様子に痺れを切らした。 「…言いたい事があるならハッキリ言え!!!」 「ご、ごめんなさい!」 「なんだ話せんじゃねぇか」 「ブライト、何騒いでるんですか…」 身を乗り出して怒鳴ると体を強張らせて誤る子供。 その様子に噴出すとその声を聞きつけてレイトが顔を出した。 起き上がっている子供を見つけると優しく微笑んで声をかけた。 「おはようございます」 「おはよう…ございます」 「あぁ、ちゃんと話せるんですね」 「ん…」
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