*光*

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  熱心な仏教徒の男がいた。 男には家族があった。 中小企業の平社員の その男の暮らしは 裕福とは呼べないものだった。 吐息が白くなり…‥ 師走と言う言葉の通り 街がせわしなく煌めく12月。 この時期になると その男の家に 人だかりが出来る。 小さな一軒家だが 辺り一面に光が溢れ 3km先でも家の所在地が解る。 俗に言うイルミネーションハウスだ。 芸術と呼べる程に 配置と選色を考えたその家を 一目見ようと 見知らぬカップル達が その男の家の周りに集まる。  
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