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俺が相手をしたり構ったりしなかった為、女は新たに相手を作り、俺を振った。
あれだけ毎日のように好きだの何だのと、メールや言葉を押しつけて来たくせに、所詮この程度。
やっぱり恋なんて、愛なんて、千回言葉で繰り返したとしても、曖昧で脆い。
いとも容易く、まるで初めから無かったように消え去る。
ああ、面白い。そんなものに周りは振り回され、笑い、泣き、怒っている。
疲れるだけ、だろうに。
「でもさ、その考え、つまんないでしょ」
黒澤 芽衣が、俺にそう言い放つ。この女、何かにつけて俺に話しかけてくる。
彼女の瞳に真っ直ぐに捉えられている俺の顔は、驚いた表情を浮かべていた。
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