file.02 小野塚 香

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 見た目はとても子供なのだ。身長は他の女子と比べても、一回り小さい。百五十センチあるかどうか。  髪型も、無作為に左右で束ねただけで、他の女子よりも手抜きさが伺える。  なのに、その小さな唇から発せられる恋愛論は、他のどの女子よりも大人びている。  いや、悟っているに近いような感覚すらある。  まるで自分の恋愛は、そうでは無いと言わんばかりの言い回しなのだ。  この女は、一体どんな恋愛をしているのだろうか。実に興味深い。 「ねえ。千早の事、どう思う」  千早とは、この女の友人だ。
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