file.02 小野塚 香

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 俺がこの感情を明確にしてしまえば、『芽衣』と『千早』の関係はぐらつくのだろうか。  恋だの愛だのが、脆くて曖昧な事は知っている。けれども、友情に関してはどうだ。  この女の傍にいると、疑問点がいくつも生まれて来る。興味深過ぎてたまらない。 「いいじゃない。ひょっとしたら伝わるかも。そういう希望が持てる恋愛が出来るって、幸せだと思うわ」  ぽつりと呟いた女の横顔はいつもとは違っていて、まるで大人の女が持つような色気があった。  千の愛は脆弱、だなんて、誰が言ったのか。  それを信じたく無い程、俺はこの女にはまり始めている。
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