file.03 黒澤 芽衣

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 これ飲んで、落ち着こう。  そう言って、千早が私の机に紙パックのココアとミルクティーを置いた。  どちらがいいかと訊かれ、迷わずミルクティーを手に取る。私は大の紅茶好きなのだ。  ほんのりと温かい。 「良いねえ、恋愛って。楽しいでしょ」  ストローを刺しながら、私は千早に微笑む。千早の顔が、徐々に弛んだ。  可愛い。  恋愛に必死でもなく、無関心でもなく、まるで恋に恋をしているような千早が、とても可愛いと思う。  ──そう、私が好きなのは、千早。  勿論相手は女の子だし、私だって女の子。千早は私の事を、ただの友達と思っているだろうけど。
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