file.04 小倉 侑一郎

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 ……あいそを、つかされる。  その状況を想像してみて、背筋が凍った。俺にとって、結子ちゃんが世界の全て。  そんな調子とは、どんな調子だろう。俺はいつだって、俺でしか無いのに。 「侑ちゃんどうしたの。元気無いね」  結子ちゃんの声で、ハッと現実に引き戻された。此処は何処だろう。あ、俺の部屋だ。  結局今日は一日、脳内では香の言葉がぐるぐると回っていた。  どれだけ好きな歌でも、ここまでヘビーローテーションはしないってくらい、ずっとだ。 「結子ちゃんには、俺に愛想尽かしそうな時ってあるのかなぁって、考えてた」
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