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俺がそう言うと、結子ちゃんはきょとんとした顔でまばたきを繰り返した。
その度に、長いまつげに蛍光灯の光が反射してきらめく。
それからしばらく、結子ちゃんは考え込んだように下を向いていた。
「ふふ。まさか侑ちゃんがそんなこと考えるなんてね」
喉の奥から込み上げる笑いを抑えるようにして口に手を当てた結子ちゃんが、ゆっくりと顔を上げた。
「馬鹿だなぁ、侑ちゃんてば。あたしが侑ちゃんに愛想なんて尽かすわけないでしょ」
そう言いながら右の頬を引っ張られ、つい俺の顔も弛む。
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