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尽かすわけがない。断定の言葉に、胸の奥から嬉しさがこみ上げてきた。
ふと、今までのことが思い出された。
俺と結子ちゃんの出逢いは、幼稚園の時だ。同じもも組で、結子ちゃんは一番可愛い女の子だった。
艶やかな黒髪、くりくりの大きな瞳。誰にでも優しく、良い子だった結子ちゃん。
それに比べて俺は毎日の楽しみが昼寝とおやつで、他人より自分という、ごく普通の幼稚園児で。
俺と結子ちゃんは、多分お似合いとは程遠かっただろう。
けれど、あの一言で、俺は結子ちゃんに惚れちゃったんだ。そりゃもちろん、初恋だよ。
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