解説

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解説

早川健 『ソウル・イーター -Soul Eater-』 は、作家・大橋基章の処女作である。 私と彼との出会いは、 『モバゲータウン』 なるモバイルコンテンツの中にある、 『質問広場』 で彼が書いた 『ガメラⅢ -イリス覚醒-』 の評論文を、私が見つけたことに始まる。 特に、映画のあらすじを正確且つ簡潔に文章にする彼の才能を、私は率直に凄いと思った。それは、彼の書くその他の映画評論に於いても、顕著である。 以来、お互いに主催するサークルなどを通じ、私と彼との付き合いが始まった。 その彼が、モバゲーの 『クリエイター機能』 を使って小説を書いた。 それがこの 『ソウル・イーター』だ。 文章も構成もまだまだ改善の余地はあるものの、その表現力は他のクリエイターの追随を許さない、彼の才能を十分に感じさせる物であった。 ストーリーも、前半で絡み合った糸が、後半鮮やかに解きほぐされていく様は見事としか言い様が無い。 私は前半を読んでいる時、 『こんなに大風呂敷広げて大丈夫かいな?』 と思ったものだが、それはまさしく杞憂であった。 複雑怪奇な物語を、彼は見事に結末へと収束させていく。 ただ、いささか結末を急ぎ過ぎた感じもするので、それは彼のこれからの課題となるだろう。 大橋基章。 彼のストーリーテラーとしての才能には、これからも大いに期待したい。 (早川健)
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