第九章

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「だがなぁ、間嶋」 突然、山田路が口を開いた。 「西島はホシじゃあねえぞ」 山田路は、一昔前の刑事ドラマで使われていた様な言葉を、普通に使いこなす。 「そこまでの話に、俺からの異論はない。だが、西島は多分、物理的にホシではありえない」 「何故です?」 「完治してないからだ」 その言葉は、間嶋の推理を充分にぐらつかせた。 「完治…してない?」 「そうだ」 「でも、今年の始めに退院したんじゃ─」 「在宅介護に切り換えただけだ」 間嶋は、それ以上の言葉を発する事が出来なかった。 その時、事務所内の空気が明らかに変化した。
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