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「孝也……」
一樹は右手をそっと、彼の頬に添える。
「一樹」
孝也も右手で、一樹の頬に触れた。
「あたたかいね」
「俺は逆だ。お前、一体何時からここに来てたんだ」
「えと……21時前かな?」
「……」
「早く来すぎちゃった」
「……アホ」
「“阿呆”?」
「覚悟しろよ」
「え」
「もう……離さないからな」
「……うん」
徐々に、顔を寄せ合っていく。
「一樹」
「孝也」
――そうして。
「っ……」
貪るような深いキスを交わしたのち、青い、淡い光に満ちた空間の中で、二人はしばらくの間、抱き締めあったのだった。
……それぞれの存在を、ぬくもりを確かめあうように。
【END】
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