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「病院だつってんだろ。つーかな、おかん寝癖ヒドすぎ」 「あらヤダ」 寝癖を気にする歳かよ。 俺は隙を見て階段降りる。 「コラ柊二、待ちなさい!じいちゃんどうするの」 「知るかよ」 玄関で靴ひっかけ原付に乗りこんでれいらに「行けッ」と声を掛ける。 「いいの?おばさん呼んでるよ」 「いいから、いいから」 「じゃあ捕まって」 れいらはアクセル絞る。 パパパパアァと甲高い排気音が響きわたって一瞬の加速、体重が後ろに持ってかれそうになって原付が発進する。 冬の風が冷たく頬に突きささる。 半帽を手で押さえ俺は家を後にした。
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