352人が本棚に入れています
本棚に追加
それでも、返事は2つしかないことは分かっている。
絶対に「もういーよ」とは言えない。
「まーだだよー」
僕は蚊の鳴くような声で呟いた。
「 も う い い か ー い 」
おそらく声の主は布団のすぐ近くまで来ていた。
(ああ、もう見つかる)
そう感じた瞬間だった。
僕が頭から被っていた布団が、勢いよく捲り上げられた。
目を見開いて悲鳴をあげると、そこには誰もいなかった。
騒ぎを聞いて父親が部屋に駆けつけてきた。
「どうした!何があった?」
僕は震えながら言った。
「布団がふっとんだ」
最初のコメントを投稿しよう!