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次の日、俺はいつもより早く美奈の病室に向かった。手には小さい箱を持っている、、、。
いつものようにノックする。返事はないと思ったが、、、
「はぁ~い」
耳を疑った。だが間違えなく美奈の声だ。
急いでドアを開けると、ニコニコした美奈の姿が目に入ってきた。
「美奈、、、」
「すごく不思議なの。全然眠くないの。今日はいっぱいお話できるよ」
そう言って、元気に笑った。
それから俺たちは出会って今日までのことを話したり、これからのことを、将来のことを話したりした、、、
「美奈、、、プレゼントだ」
そう言って、持ってきた小さな箱を美奈に差し出した。
「何かな?」
美奈はすぐに箱を開け、そして目を輝かせた。
「うわぁ~」
箱の中身は小さなアクアマリンがついた指輪、、、。小さいが、深い青色をした宝石がしっかりと自己主張している。
「悪いな。金が無くてそんな小さいのしか買えなくて」
「ううん、すごい嬉しい!!はめてくれる?」
そう言って宝石と左の薬指を差し出してきた。
宝石と美奈の手をとり、はめてやる、、、ちょっとサイズが大きかった。前はこのサイズでちょうど良かったはずだ、、、。美奈が痩せたのだろう。
「ふふ、ちょっと緩いね。少し太らなきゃ、、、ところで、この宝石、、、」
「アクアマリンだ、お前の誕生石だろ?」
「へぇ~、そうなんだ、、、綺麗だね。これって婚約指輪と考えていいのかな?」
「婚約指輪には安いだろ」 少し笑ってしまった、、、なんというか、美奈と結婚してもお金がかからなそうだ。
「私、子供は男の子、女の子両方ともほしいな~」
どんどん美奈の話が飛躍していく。あまりにも真剣なので、俺は笑ってうなずくしかできなかった。
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