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2年前、、、
俺は入学式の日は余裕を見て家を出た。なぜなら、中学の入学式の時に遅刻して、かなり恥ずかしい目にあったからだ。
「よし、今回は余裕だな」
春の日差しを身に受けながら、川沿いの道を歩いていく、、、。
ドゴン
急に後ろから強い衝撃があり、前に吹き飛ばされた。顔面からアスファルトにつっぷして相当痛い、、、。
痛みを堪え衝撃の原因を確認する。
「いたたたた」
尻餅をついて、こちらを見ているのは同じ学校の制服を着た女子だった。
「だいじょうぶですか?」
何の感情も込めず、一応男の義務みたいな感じで、そんな言葉が口からでていた。
「ご、ごめんなさい、、、。携帯見ながら走ってたから、、、」
どうやら、よそ見をしていて後ろから突っ込んできたらしい。
「別にいいですよ。気にしないでください」
そう言って振り返り学校へ行こうと歩きだした、、、。
「あぁ!!携帯が無い!!!」
この時点で俺の遅刻は決定した。
っていう微妙な出会い方をしたよな、、、ベタというかなんというか、、、。
結局、入学式には間に合わなかった。何せ携帯はどこを探してもなく、川に転がり落ちてしまっていて、川に入って拾った。
メモリもすべてパァだった。もちろん使い物になんてならない。
号泣する美奈をなだめるために放課後携帯を買いに行く約束をした。
美奈とは同じクラスになってしかも席は隣同士だった。神様の悪戯というか、なんというか作為的なものを感じる、、、。
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