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帰り道、、、夕日が俺たちの影を進行方向にに長く伸ばしている。しばらく無言で歩いているといきなり美奈が立ち止まった。振り返り美奈を見る。
夕日が美奈の後ろにあり、影になっていて表情はこちらからでは伺えない、、、。
「あのさ、あのさっ!!」
普段はあまり聞くことのできない切羽詰まったような、何かを堪えているようなそんなふうな声だ。
「なんだ?」
「今日呼び出したのは桜を見たかったからじゃないの、、、」
「わかってるよ。おまえがそんな理由で俺を呼び出したりはしないだろ、、、なんかあったのか?」
「ほんとはね、、、ほんとはっ!!」
声が震えてる、、、泣いているのか?
「お姉ちゃんが、、、昨日死んだの」
「ま、じ、、、か?」
ほとんど声にならなかった。だが、美奈はかすかに首を縦に振った。
待て、、、待てよ!!お前さっきまで笑ってたじゃないか!?さっきまですごく楽しそうだったじゃないか!?
、、、ばかやろう、、、俺の馬鹿野郎!!
なぜ美奈がいつもと違うことに気付かなかった!?
なぜ、、、なぜもっと早く美奈に呼び出した本当の理由を聞かなかった!?
なぜ美奈が喋るまで待っていた!?
なぜ美奈をもっと早く泣かせて楽にしてやらなかった!!
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