誕生

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  わたしの頭部には、脳の代わりにチップが埋め込まれている。 そこには基礎知識や社会の常識が、びっしりと刻まれている。またそこに新たな知識を記憶することが出来る。 その中にわたしの…ヒトでいうところの、遺伝子が書き込まれている。 アンドロイド:ヒトガタ NEMA:未設定(NO1) FIGURE:女型(成人) HAIE:長髪(金12―エラ―解読不可能 EYE:2.O(青) SKIN:弾力.3(白) など…まだまだ検索すればあるが、今はそのような意味のない行動をする場合ではない。 わたしの足は急に停止した。 目の前には、英国文字で刻まれている扉があった。 やはり廊下同様、白かった。 わたしは扉をノックした。 ゴムと木のぶつかりあう、音といえないような音が反響する。 「はい。…どうぞ」 まるで待っていたかのように平然と、中から成人男性の応答が聞こえた。 わたしはゆっくり扉を開いた。    
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