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「ここに座っていて下さい」
リビングに到着し、彼は私に真新しいソファーをすすめた。
わたしはその命令に従い、そこに座った。
彼はそれからどこかへ消えていった。
暫くすると、カチャカチャと陶器のぶつかり合う奇怪な音が聴こえてきた。
わたしはじっと彼の命令に従い、何をするでもなくしっかり座り続けた。
「お待たせしました」
彼は穏やかな表情で、わたしの目の前にあるガラステーブルの上に、白い湯気をだしているコーヒーカップを置いた。
そのカップの中には、わたしの燃料であるオイルなどの液体が入っていた。
彼はコーヒーが入ってある自分のカップに口をつけつつ、わたしの正面にある黄ばんだソファーに、腰をかけた。
「あ…どうぞ飲んで下さい」
わたしは命令に従い、カップに口をつけ一気に飲み干した。
「…っあはは」
途端に、彼の顔から笑みがこぼれた。
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