第一章

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 天使職に就こうとする悪魔の少女を、女性は止めるべきか否か迷った。迷ったあげく、 「……はい、これ。天使としての適正を見る試験の書類。試験内容は、『一人の人間を幸せに導くこと』。大変だろうけど、頑張ってね」  邪気のない綺麗な瞳を見て、ついつい応援したくなった。 「はい! 頑張って天使になります!」  やる気を窺わせる元気のいい返事を寄越し、少女は一礼してから去って行った。向かう先は地上だろう。頑張って欲しいものだ。……結果はどうあれ。  受付の女性は心中で応援し、それから思考を切り替えて仕事に戻った。 「次の方、どうぞ」
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