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2.『22歳の頃』
慧は地元の設備屋で働いていた。
ロクな仕事もせずに過ごした十代、歳は既に22歳になっていた。
友達が働いていた設備屋に紹介され、手に職を付けるべく汗水流しながら働く日々。
一見真面目そうに聞こえるが、実際はサボってばかりだった。
自由気ままに過ごしてきた慧は、毎日②朝早くから決まった時間に起き、汗をかきながら働くなんて出来る訳もなく…
しかし、何故か辞めたりせずに長続きしていた。
同僚が皆、歳も近く話が合い、辛くても笑いながら働ける職場だったからだろうか。
そんな職場に新しい社員が入ってきた。
歳は慧の一つ上。バツイチで2歳になる子供を連れた明るくて気さくな女性で、優美と言う名だった。
酒が強く、騒ぐのが好きな優美は職場の仲間と打ち解けるのにさほどの時間を必要としない。
気さくな性格の優美は誰にでも分け隔てなく接し、いつの間にか仕事終わりの飲み会の中心人物になっていく。
きっと皆、彼女が好きだったに違いない。
慧も少なからず惹かれていた。
あの事があるまでは!
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