♥見上げてごらん♥

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ダイはわたしの腕を掴んだ手に力を入れる。 「…離して…。」 わたしはダイと目を合わせずに言う。 「キミ… こっち見ろよ。」 ダイの低い声がわたしを呼ぶ。 「ダイくん。」 アオイがダイの名前を呼ぶ。 ズキン…ッ 「…ッ」 それだけでまた胸が痛む 「…おまえさ… 今何考えてんの? 俺には全然わかんねぇんだけど。」 ダイの視線を痛いくらい感じる。 「ただ泣いて、作り笑いして… それじゃわかんねーって。」 「ダイくん!」 アオイがダイを止めようとする。 「万引きのことも、家のことも、ずっとおまえが言うまで待ってんだけど? 半年以上一緒にいて何で俺はおまえのこと何も知らねぇの?」 「…。」 わたしはダイが恐くて顔を上げられずにいた。 .
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