烈火

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 ヴァジュラパーニから8つの球体が放たれる。閃光弾とチャフグレネードだ。  閃光弾の強い光により、ヴァジュラパーニは目視されなくなり、チャフグレネードによりレーダー・センサーが妨害され、ヴァジュラパーニを狙えなくなる。  光円寺はレバーを強く引いた。ヴァジュラパーニの脚部と背部からジェットエアーが放出され、ヴァジュラパーニが宙に浮く。  それと共に、阿修羅王も宙に浮き出した。  閃光弾の光が弱まったころ、すでに二機の兵器は500メートル以上、上空にいた。ステルス機能を持っているのか、チャフグレネードの効力が衰えてもセンサー・レーダーに二機は映らなかった。  まんまと撤退することの出来た二機だが、ヴァジュラパーニに乗る三人のパイロットは疲れきっていた。 光円寺が二人の方にも意識を回せるようにまで落ち着きを取り戻し、高氏の座席に血が飛び散っているのに気がついた。それと、目を必死に押さえて泣き叫ぶ高氏の声もやっと聞こえてきた。 光円寺(これが…戦争…)  光円寺の頭のなかに、まだ"死の恐怖"が鮮明に残っていた。考えるだけでも、またパニックに陥りそうになる。  そこへ阿修羅王のパイロット、雷電から通信がきた。 雷電「光円寺、このまま鉄道まで飛べるか?」 光円寺「大丈夫です…」 雷電「なら鉄道輸送でモスクワに向かうぞ、いいな?」 光円寺「了解…」
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