~Title End~

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 ハイネは一度話を区切ると、焔を見た。どうやら焔は困惑しているらしい。だが、焔はハイネに共感するかのように、真剣な表情でハイネを見た。 ハイネは続ける。 ハイネ「先ほど言ったように、我々は言わば管理職、"管理者"なのです。我々の行動ひとつで、これからの未来をどうにだってすることができる。我々には、この世界の未来を守る責任があるのです」 焔「でも…、人が人の命を、人が人の未来を、人が人の運命を管理して良いんでしょうか?」 ハイネ「そうですねぇ。しかし、人が人を管理するのはいか仕方ないことだと、私は思うのですよ。 一世紀前に、人の過ちが起こしてしまった『ガリュート現象』も、身勝手な人が人の意見も聞かずに起きた大惨事なのです。何が一番正しい選択なのかを決めるのは人それぞれ。しかし、聞く耳ももたなければ、いつになったって人は過ちを繰り返していく。 人は唯一発展した生き物。そして、地球でもっとも優れた存在。人が自然を管理し、地球でもっとも優れた存在であり続けているこの世界で、人を管理するのは不可欠です」 焔「でも、俺たちだって人です。管理する前に、個人の感情が出てしまうかもしれない」 ハイネ「そうですね。しかし、それは我々が皆、人ならですがね」 焔「えっ?」  焔はハイネの思いがけない言葉に驚かされた。ハイネは自信にみちた表情を見せる。まるで、世界の全てを知りつくしているかのように…。
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