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ハイネ「感情を優先させず、人に近い考え持ち、機械的な選択をできる者…。『人工知能』」 焔「人工知能?」 ハイネ「今まで人は一世紀以上に渡り、人工知能の開発を夢見ていました。人工知能が開発されれば、文字通り知能をもった自律ロボットが普及します。空想、SF的な近未来の世界を築くことが出来るのです。 しかし、人工知能の開発はどれも成功しなかった。理論的に言うならば簡単なこと、なのに造れなかった。あなたにはどうしてだかわかりますか?」 焔「人工知能は、機械だからですか?」 ハイネ「そのとおり。機械である限り、信号や命令で動きます。つまり、それを逆手にとれば、人工知能の汎用機が出回った世界でテロを起こすなど容易なこと。  しかし、技術者たちはこぞって人工知能の開発をします。ハッキングされず、完璧な能力をもつ人工知能が出来れば、この世界は変わっていきますからねぇ」 焔「まさか…、あなた達はそれを阻止してきたんですか!?」 ハイネ「さすがですな、焔さん。そう、我々が、いや我々のリーダー、先ほど言った"ある人"がそれを食い止めているのです。その人は、自身もブラックテクノロジーにより造られた人工知能。この世界のありとあらゆる電脳網を管理する者…」  ハイネはテーブルに置かれたパソコンのエンターキーを押した。 談話室の床からホログラム装置が現れ、立体の人の映像を映し出す。 まだ10才にみたない赤い目の白人の少女だった。しかし、その目つきは鋭く、映像であるにも関わらず、焔は威圧感を感じさせられた。  ホログラムの少女は焔をみた。 『あなたが焔 龍斗ね。いろいろと調べさせてもらったわ』 ホログラムの少女の物腰は、まるで映像と思えないほどに自然で、リアルだった。 焔は、恐る恐る聞いてみる。 焔「き、君は…?」 『私は100年間、この世界を管理してきた高密度人工知能。人が成し得ないプログラムの極地。人を正す唯一的存在。 そうね、私のプログラム情報ではこんな名前がつけられているわ。  私の名は、    管理者"ドラグーン"               』                ──END──
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