第1章:S男

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『はい。大阪から来ました、鳴海です。皆よろしくしたってなー。』 そう言って俺は爽やかに笑った。 女共はさっきの脅えた顔とは打って変わって頬を染めとった。 …イチコロやな。 そう思っとったら1人の女と目が合った。ウェーブのかかった茶色の長い髪をした、結構可愛い女や。 ありゃ?頬染めとらんな。おっかしいなー。 そう思って今度はその女子に向かって、また爽やかに笑ってやった。 ……今度こそ頬を染めてると思っていたのに ニコッ 女も笑みを返してきた。 …驚いたな。平然としてやがる。 自分で言っちゃあなんやけど、俺はものっそいモテる。 今まで俺が笑って、頬を染めない奴がいたやろか?…いやいない。 …だが、今あの女は俺が笑ったのに余裕に笑みを返して来やがった。 ……面白い。 俺の血が騒ぐ。 俺はドSだ。 ああいう奴程、いじめたくなる。 ああやって強がってる奴こそ鳴かせがいがあるんや。 ──惚れさせてやる。 今回のゲームの相手は、アイツや。 …俺はその女に向かってニヤリと笑ってやった。
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